第50回日本産業技術大賞・喜びの声 新技術革新・価値を創出

(2021/4/9 05:00)

第50回日本産業技術大賞の贈賞式には受賞者や審査委員、来賓らが出席した。松本洋一郎審査委員長(外務省参与・外務大臣科学技術顧問・東京大学名誉教授)が評価のポイントを紹介。「技術の発展性と先見性、社会への貢献の観点から評価した」と振り返った。内閣総理大臣賞を受賞した富士通の時田隆仁社長は受賞者あいさつで「新たな技術革新と価値を創出するため多くの人に『富岳』を利用してもらい、困難な課題の解決につなげてほしい」と決意を新たにした。(総合1参照)

課題解決に貢献 理化学研究所・美濃導彦理事

「富岳」は高い性能と幅広い活用により、社会的・科学的課題の解決に貢献する。世界4冠の獲得や、新型コロナウイルス対策のためにいち早く利用いただけたのも特徴の表れだ。今回の受賞は大変光栄だ。これを励みに富岳は、世界トップレベルの研究成果をさまざまな分野で創出していきたい。

技術力を世界に 富士通・時田隆仁社長

「富岳」は多くの挑戦を乗り越え世界初の4冠を獲得した。開発、製造を担当した当社としても、日本の技術力を世界に示した偉業を誇りに感じている。富士通はコンピューティング分野でのさらなるブレークスルーに挑戦し、イノベーションによる持続可能な世界の構築に向けて最大限の貢献をしたい。

“脱石油樹脂” パナソニック・小原英夫マニュファクチャリングイノベーション本部長

当社はサーキュラーエコノミー(循環経済)の思想をモノづくりに取り入れている。開発した“水を使わないプロセス”は、二酸化炭素(CO2)排出を削減する。“脱石油樹脂”の理念で活動し、多くの分野で使われていくように頑張りたい。

挑戦を理解 宇宙航空研究開発機構・津田雄一教授・はやぶさ2プロジェクトマネージャ

プロジェクトの成功は小惑星探査機「初代はやぶさ」の技術を十分に生かすこと、良いチームワークを作ること、多くの人に「はやぶさ2」の挑戦を理解してもらえたことだと感じている。日本の産業界や学術界と結成して社会にインパクトのある成果を得られた。

知見広げる NEC・大島武宇宙システム事業部第一宇宙システムグループプロジェクトディレクタ

1996年ごろから「初代はやぶさ」に関わり、今回受賞した「はやぶさ2」にも携わってきた。両者の開発や運用に関わったことで、最終的に人類の知見を広げることにつながる結果が得られたと感じている。

うれしさ2倍 三菱重工業・恩河忠興防衛・宇宙セグメント宇宙事業部技術部次長

「はやぶさ2」で小惑星「リュウグウ」に行くというプロジェクトに参加できてうれしく思う。はやぶさ2を打ち上げる役目も担っており打ち上げた探査機がミッションを達成したためうれしさは2倍だ。今後は人工衛星の打ち上げと宇宙利用に力を入れたい。

支えられて実現 トヨタ自動車・浜村芳彦トヨタZEVファクトリーFC事業領域統括部長

解析や生産など高度な技術が集積している日本の技術基盤に支えられて実現した。燃料電池車「MIRAI(ミライ)」以外にも広く応用できるシステムを世界の共通課題である大気の改善だけでなく、生活の質向上などにも用いて社会貢献していきたい。

(2021/4/9 05:00)

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