産業春秋/「黄金の3年」で変わるのか

(2022/6/17 05:00)

「黄金の3年」。与党が7月の参院選を制し、衆院の解散・総選挙も行わなければ、岸田文雄政権は向こう3年間、国政選挙がない安定期を迎えると言われる。岸田首相が掲げる政策も円滑に実現すると見て良いのだろうか。

その参院選を控え、岸田政権の政策運営は自身の信念より党の融和を優先する“安全運転”を選択したように映る。政権の看板政策「新しい資本主義」実行計画と、経済財政運営を記した「骨太の方針」から当初の“岸田色”がすっかり薄れた。

成長の果実を適切に分配し、分厚い中間層を実現するはずだった実行計画は分配への言及に乏しく、成長戦略が強調された。安倍晋三元首相のアベノミクスに戻ったとの厳しい指摘もある。

参院選後、これら施策を2023年度予算案に落とし込む作業を進めつつ、第2弾の物価対策を盛り込んだ22年度第2次補正予算案を編成するなど課題は山積する。来春に任期を迎える日銀総裁の人選も本格化する。

岸田政権が黄金の3年を手にすれば、分厚い中間層を形成する「分配」戦略が再び強調されるのか。またアベノミクスの異次元金融緩和の出口戦略を模索し、岸田首相のカラーを出せるのか、見極めていきたい。

(2022/6/17 05:00)

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