産業春秋/「輸出」のインバウンド消費に期待

(2022/10/12 05:00)

日本への入国を制限した“水際対策”が11日に大幅に緩和され、インバウンド(訪日外国人)消費の増額が期待される。この消費は統計上「輸出」にカウントされる。日本の貿易赤字を是正する一助となるのか、注目したい。

財務省が11日発表した8月の経常黒字は前年同月比96%減の589億円と大幅に減少した。エネルギー輸入額が円安基調も重なって拡大し、貿易収支が2兆4906億円の赤字になったためだ。輸入増はドル買い取引の増加を意味し、さらなる円安を招いてしまう。

11日の東京外国為替市場は1ドル=145円台後半の円安で推移し、一時は政府・日銀が9月22日に為替介入を決断した同145円90銭に接近した。日米の金利差が拡大するとの観測によるものだが、「有事のドル買い」の側面もあるようだ。

ロシアが10日にウクライナの首都キーウなど多数の地域にミサイル攻撃したことでウクライナ情勢は緊迫化し、市場関係者は有事のドル買いを意識したとの見方がある。

足元は日米金利差と日本の貿易赤字、有事の基軸通貨買いが円安を加速させている。円安はインバウンド消費の拡大には追い風だが、どこまで効果を発揮するのかが気がかりだ。

(2022/10/12 05:00)

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