東芝、来月20日に上場廃止 臨時株主総会で株式併合案可決

(2023/11/22 17:00)

  • 東芝の臨時株主総会の会場に入る株主(都内)

東芝は22日、都内で臨時株主総会を開き、上場廃止に必要な株式併合や定款変更の議案を審議し、委任状を含む出席者の3分の2以上が賛成、可決した。これにより12月20日に予定していた上場廃止が確実になった。株主は国内投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)陣営に一本化される。2015年以来、8年にわたる経営の混乱はいったん収まり、東芝はJIP陣営と二人三脚で経営再建に挑む。

「東芝で一番大事なのは技術だと思う。それこそがほかの会社と違う。世の中にないものを作り、世の中に問うのが大事だ」―。東芝の島田太郎社長は、臨時総会で今後の経営について株主に尋ねられ、こう答えた。その上で、非上場化後は「安定した株主の下、イノーベーティブ(革新的)な技術を世界で再び輝かせたい」と決意をあらためて示した。

質問に立った株主からは「技術者を大切にしてほしい」「東芝が好きだからずっと(株式を)持ち続けたい」「(非上場化で)逃げないで会社を再生してほしい」などの声が挙がっていた。

15年の不正会計問題の発覚以降、東芝の経営は混迷が続いた。米国での原子力発電事業の巨額損失に伴い、短期的な成果を求める「物言う株主」などの出資を受け入れてからは両者の対立が激しくなり、経営陣が度々入れ替わるなど、中長期の事業戦略を実行できずにいた。

東芝は株主を一本化することで経営の混乱に終止符を打とうと、JIP陣営のTOB(株式公開買い付け)によって非上場化することを決定。8―9月に実施されたTOBでは株主の約8割が賛同し、9月21日にTOBが成立した。

今回の臨時総会でTOBに賛同しなかった株主の保有株を強制的に買い取る「スクイーズアウト」に必要な株式併合などを議決。12月20日の上場廃止が決定的になり、上場企業としての74年の歴史を終える。

(2023/11/22 17:00)

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