社説/月例報告判断「厳しい」 産業界への金融支援に万全を

(2020/3/27 05:00)

経済の急激な収縮期には、大企業でも予想外の資金ショートに見舞われる恐れがある。政府は産業界への金融支援に万全を期してもらいたい。

内閣府が26日に発表した2020年3月の月例経済報告は、景気の総括判断を「足下で大幅に下押しされており、厳しい状況にある」と下方修正した。「厳しい」という表現は東日本大震災後の景気低迷期以来、7年8カ月ぶりという。

新型コロナウイルス感染症による実体経済への打撃は、さらなる悪化が懸念される。会合の自粛が長引き、一般国民の外出への制約が大きくなれば、景気は今以上に急降下する。

仮に日本でも感染症の死者が急増する事態となり、一部の欧米諸国のように企業の営業禁止や生産の停止が命じられるようになれば、日本経済は、かつて経験したことのない急激な収縮に見舞われる。現時点で先行きを予想することも、危機の大きさを想定して企業が備えることも困難と言わざるを得ない。

内閣府の担当者は、景気の落ち方について、角度を東日本大震災時、水準をリーマン・ショック時に例え、今回は「両方を足すぐらい悪くなるかも知れない」と話す。国内で新型コロナの感染爆発を封じても、すでに少なからぬ先進国が感染症対策に追われて景気が急減速している以上、世界経済の立ち直りには相当の期間を要するだろう。

政府はじめ関係者が最も優先すべきは、感染症対策に全力を尽くすことだ。同時に経済の激変によって企業が予想外の資金不足に陥ることがないよう、金融支援の準備が急がれる。

リーマン・ショック時には中小企業ばかりでなく、著名な大企業が資金ショートに直面し、日本政策投資銀行が緊急融資制度を設けるなどして支援した。今回の新型コロナによる経済危機はスピードが速いだけに、即諾即決の対応が求められる。

仮に企業が立ちゆかなくなり、雇用が維持できなくなれば国民生活は収拾がつかない混乱にさらされる。政府は企業からの危機信号に細心の注意を払ってほしい。

(2020/3/27 05:00)

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