名古屋銀行川原通支店長・馬場祐子氏 「女性支店長、後輩たちの道に」

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支店長は３カ店目ですが、これまでは個人顧客だけが対象の「スマート店舗」でした。融資をはじめとする法人業務部門を持つフルバンキングの支店は初めてです。

本当に時代は変わった、ということを若い人に分かってもらえるよう話しましょう。入行６年目に法人向けの営業をする渉外係となりました。女性の私が企業の代表者のところに行くと「本気でウチのことを考えて担当を付けてくれたのだろうか」と思っているのが分かるんです。この人は結婚して辞めてしまうのではないかといった心配ですね。「自分はそうではないです」と言っても絶対ではない。おそらく男性だったらすぐ築けただろう信頼を築くのには相応の時間がかかりました。

今は違います。むしろ良い印象を持たれます。「名古屋銀行さんは開けているのですね」と。だからなおのこと期待に応えなくてはと思います。それがすごく新鮮です。

今の支店に着任してからは大変です。私は渉外係の後、個人顧客の資産を扱うファイナンシャル・アドバイザー（ＦＡ）の営業を約１０年やってきました。だからここに来てからは日々「自分は（支店や銀行の業務を）こんなにも知らないんだ」と痛感する連続です。

でもここが名古屋銀行のいいところ。知らないことを早く「知らない」と言わないと顧客に迷惑をかけてしまう。声を上げると皆教えてくれる。トライアンドエラー、エラーが出たら皆で頑張ればいいという行風です。これがあったからこそ、これだけ苦手分野でもやっている。苦しいながらも成長している実感があります。いかんせん私の前にはロールモデルとなる人が誰もいない。私がじたばたするほど、後輩たちに道ができていくのだろうと思っています。

スマート店舗の支店長はもう約４割が女性です。そこから一歩踏み出してほしい。それには武器と勇気が必要です。武器とは管理職として特化した法人業務スキル。身に付けられるよう整備してほしいと話しています。