竹田印刷、仕入れ―顧客を一元管理 個口数削減し物流効率化

(2024/5/23 12:00)

竹田印刷(名古屋市昭和区、木全幸治社長)は受発注や在庫を管理できるクラウド型システム「TS―BASE(ティーエス―ベース)」を手がける。仕入れ先のシステムや配送業者の送り状発送システムとも連携できるため、仕入れから顧客までの間を一元管理できる。システムを内製し、自社で活用するほかSaaS(ソフトウエアのサービス提供)として外販もする。デジタル変革(DX)を推進するだけでなく、個口数の削減や入出庫作業を効率化でき、物流の回数を減らすことにもつながっている。

  • 管理したい販促物などの物品は、電子商取引(EC)サイトのような画面から発注でき、誤発注による再発送を抑制

同社は竹田iPホールディングスの事業会社。祖業の印刷事業に加え、広告宣伝物の企画・デザイン、受発注や物流、事務局、通信販売などの業務を受託する業務委託(BPO)サービスなどのソリューション事業も展開する。物流拠点も所有する。

カタログなどの販促物は複数の部署がそれぞれ製作し発注、管理していることが多いが、同システムはそれらを一元管理できる。輸配送が必要となる印刷工場やメーカーなどの仕入れ先、同社の物流拠点、荷主である顧客の拠点や倉庫、支店などの間で物流を効率化できる。

同システムは仕入先からの入庫予定を登録できるため、倉庫側は上流から工程を把握し効率のよい予定を組み立てることが可能。また、物流拠点では同社が最低限の種類だけ用意した標準サイズの段ボールや封筒を使用することで荷姿を揃えている。さらに、仕入れ時に登録された物品の重量とサイズを基にシステムが自動で効率的な梱包を指定するため個口数も減らせる。同一の配送先があれば荷揃えして出荷し、出荷方面に合わせた荷役により輸配送を効率化している。

  • 物流拠点では段ボールを最低限の種類の標準サイズ展開にして荷姿を揃える

倉庫管理システムも内包していることから発注時に在庫数が分かり、欠品による分納を抑制できる。発注画面には物品の写真も掲載し、誤発注による再配送を防ぐ。現在は販促物に見本サンプルがある建材メーカーが主な顧客だが、家電・生産財メーカーでも導入が進む。

一方、陶磁器産業が盛んな岐阜県の多治見地域で複数のタイルメーカーなどと連携した物流の共同化にも挑戦している。建築事務所などでタイルを施主に提案する際は、複数のメーカーからそれぞれ見本タイルを取り寄せる。メーカーの数だけ個口が発生するため、同一の配送先には同社が取りまとめるといった構想の実現を目指し、地域を巻き込んだ活動を推し進める。

(2024/5/23 12:00)

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