インタビュー/三菱ケミカルグループ執行役員・赤羽祥男氏「環境対応、調達からサポート」

(2024/5/23 12:00)

―調達における重要な点は。

「最近は概念が長くなり、顧客で使われた後の廃棄までの全体のチェーンの中で原料調達などを考える。価値のある製品を届けるため、いつ、どれだけの原料が必要かを踏まえ、コストの抑制など最適化をしていく」

―4月から新体制が始動しました。

「企業の原理原則で考えれば目指すところは変わらない。ただサステナビリティー(持続可能性)といった新しい概念が入ってきているので、調達でも人権やカーボンフットプリント(CFP)などに配慮する。これまではコスト中心だったが、こうした点も踏まえつつ時代に合わせてタイムリーに取り組みたい」

―脱炭素化に向けた取り組みも重要性が増しています。調達面で重視する点はありますか。

「社会的な要求が強まっている。グリーン原料などはやっていかなければいけない一方、収益性は無視できない。バランスをみながら取り組まないといけない。非常に難しいところだが、全体を見据えながら原料の調達に対応していきたい。事業がどういう方向でやりたいかを踏まえ、それを実現できるように調達からサポートしたい」

  • 地政学リスクに対しては調達先の二重化、三重化に取り組む(負極材)

―三井化学や旭化成と西日本でエチレンプラントに関わる3社連携の検討を始めました。

「バイオ関係の原料どうやって調達するかなど、コンビナートや工場で工夫しながらグリーン化した製品を作る上で、あらゆる可能性を探ることになる。調達ができないとそれ自体が実現できないので考えていきたい。各社はさまざまな技術やリソースを持っているので、共有しながら還元していく形にしたい」 ―調達面でこれから力を入れていく分野は。

「異なる製品で同じ原料を使用していることがあるので、規模を確保するため集約してコストを抑えたい。特に海外では(各部署が)連携しながら情報を共有する機会を増やしていく。デジタル技術を生かし、バランスのよい在庫状況など最適な状態を作りたい」

(2024/5/23 12:00)

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