(2024/5/27 12:00)
住友化学は工場で飛行ロボット(ドローン)や無人搬送車(AGV)を活用している。ドローンは人手では困難な設備点検などに使用。AGVは屋内外での運用に向けた取り組みを進めている。実際にコストや生産性の面で成果も上げている。危険物を取り扱う中での安全性向上や、重労働の負担軽減などを目指し、より快適で魅力的な職場環境につなげたい考えだ。
ドローンは手動で操作して動かしたり、プログラムであらかじめ設定したルートを飛行させたりする。赤外線カメラを搭載すれば、夜間でも見えるほか、温度変化も把握できる。高所の設備点検や敷地境界のパトロールなどに活用している。
導入に当たっては外部のコンサルタントなどを活用。機種選定から教育などを経て、本格導入に当たってはさまざまなリスクの対策を施し、2018年から運用している。
実際にパトロール業務の年間100時間の効率化、定期修理の工期が1割削減といった成果が出た。補修の点検期間の短縮にもなる。蒸気配管の断熱材の点検も効率的になった。コスト、エネルギーロスの削減にもつながる。
今後ドローンで撮った画像に対し、人工知能(AI)を生かして即時に補修などに対応できるようになると、より効率化できるとみる。
一方、AGVは19年から屋内での展開に取り組んでおり、最近では屋外での実証実験を実施してきた。デジタル地図を作成した上で運行ルートや停留所を決めて自動で走らせるプログラムを構築。安全に構内道路を走り、物資を運べるかを検証した。原料や製品、副資材を効率的に運べるようにしたい考えだ。時間外労働の上限規制が適用される「物流の2024年問題」といった課題に対し、運搬業務の効率化などにつなげる。
同社は次世代の成長に向けて事業ポートフォリオの変革などを進めている。生産技術部の白岩淳二部長は「ロボットの取り組みも絡めながら生産技術部がけん引役になりたい」と語る。
(2024/5/27 12:00)
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